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はじっこに書きつけることば

ノートの端にする落書きのような奔放さ、乱暴さで書いていきます。

最果タヒの感想 ー腐りきった場所でゼロではない透明を思う

ふとした春の匂いで忘れてしまうぐらい、軽い気持ちで好かれていたい。(「春の匂い」『夜空はいつでも最高密度の青色だ』所収) だれでもいいからぼくを深く憎み深く愛し、それでいてその感情に焼け死んでぼくには無干渉でいてくれたら(「ぼくの装置」『死…

最後は陽気な哲学者

しあわせであったら、ものなど考えないのだろうか。 少し前、ある人がそういっていた。そして、そのひと自身は苦しいのだと言った。だから自分は考えるのだと、頭から血を流して考えるのだと、俺に苦笑しながら告白した。俺は、ふうん、わかるよ、と返事をし…

「色々な考え方があるね」ではなぜ不十分なのか

俺がこれから書こうとしていることは、至極、当然のことである。けれど、そうした論理の裏側に俺の個人的な復讐心があることを告白しておくべきか。自分でいうのもなんだけれど、俺はわりと物事を考える子供だった。しかしそれ以上に、俺はアマノジャクだっ…

旅の類型学ーーヴィム・ヴェンダース「パリ、テキサス」

当たり前のことだが、旅はひとつではない。 砂漠を歩く白痴的なトラヴィスは、初期化する旅を歩いている。 彼の旅は、象徴的である。一度、心についてしまった傷というのは、決して消えることなくその人生を決定していくものだが、トラヴィスが図るのはその…

鳥である私を気にしない大きな木

Nick Cave & The Bad SeedsのWe no who U Rという曲は、こうはじまる。 "The tree don't care what the little bird sings."この感覚は、俺たちが生きるにあたって不可避なものじゃないか、とふと思う。俺たちは、自分よりも大きな存在、自分が寄生している…

現在の俺が書いた談スの感想 ver.2

前回載せた感想が、すこしまとまりが悪かったので、大幅に編集しました。 こちらをよんでから、前回あげた方を読んでくだされば、もうすこしはいいたいことがはっきりするかとおもいます。 @@@@@@@ ライトをあびた肉体が、むすび、ほどけ、ちぢみ、の…

凄味のある言葉

何かが切れている、という感覚がある。 凄味のある言葉の話である。 凄味のある言葉は、決してオリジナリティに溢れているとはかぎらない。というより、ほとんどの場合、そこに通俗的な意味での創造性はない。使い古された表現なのに、鋭く光る。俺は、そう…

俺はどこから来たのか、という妄想

俺はどこから来たのか、という妄想をよくする。 そしていまのところ、たぶん俺は、自分は七千年ほど前、スンダランドが沈下したときに、木舟にのってやってきたのだろうな、などと結論づけている。 もう少し細かい設定もある。五万年前、スンダランドからオ…

現在の俺が書いた談スの感想

いわゆるコンテンポラリーなダンス作品の中で考えてみたとき、談スの公演の特徴は、とにかく観客がよく笑うということである。コンテンポラリーダンスの作品といえば、観客は気難しい顔をして、じっくりとその作品に対する思考を深めていて、だれもがまるで…

2014年9月にかいた談スの感想

ひとりの男の身体が、唸り声をあげる。彼を唸らせるのは、身体内部のざわめきである。ざわめきは、恐らく、こう訴えているのだ。「今すぐ排泄なさい、さもなくば……」だけれど、それすら定かではない。ざわめきは実際、確かな言葉ではないのだ。 ふたりめの男…

談スについて、ふたつの文章

このあいだ、京都のロームシアターで談スの公演を見てきた。 『談ス』公式サイト / 大植真太郎、森山未來、平原慎太郎 出演 / 2016年5月、東京凱旋公演決定! 一昨年の九月に東京の青山円形劇場でやった公演もいれれば、今回のツアー序盤に東京でもみてい…

映画という都市にてー楊德昌「恐怖分子」

映画、かくあるべし。―—無論そのような言葉は意味をなさない。かくあるべし、という映画を二本も観れば、僕などはきっと退屈してしまうことは疑いようがないのだから。それでも、そう呟かざるを得ない理由が、この大傑作にはたしかにあるのだ。 ひとつ。この…